1.同期が居候することになりました。

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もし仲林くんが将来的なことも込みで永田さんと付き合ってたのだとしたら。 家から追い出されたことも、彼女に他に好きな人ができたってこともショックだよね。 もっといろいろと突っ込みたいことはあるけれど、その点に関しては仲林くんに同情できる。 「でもほら、仲林くんならモテるからすぐに新しい彼女できるよ。ポテチ開けてあげるから、元気出しなって」 背後に隠していたポテチの袋をガサゴソと目の前に出すと、肩を落として項垂れていた仲林くんがちらっと視線をあげた。 「はい。食べていいよ」 「ありがと」 開封した袋を差し出すと、仲林くんが私の反応を窺いながらポテチに手を伸ばす。 それを一枚つかんで口に運ぶと、チマチマと囓りながら私を上目遣いにジッと見てきた。 あまり親しくもない大人の男にそんなことをされたら、気味悪く感じそうなものだけど。 無駄に整った顔をした仲林くんがそうしたら、なんだか可愛い。というか、むしろちょっと胸がときめいた。 なんだろう、これは。ていうか、どうして永田さんはこの人のことフっちゃったのかな。 ついそんなことを考えてしまっていたとき。 ゆっくりと一枚のポテチを食べ終えた仲林くんが口を開いた。
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