1.同期が居候することになりました。

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「ムリです。他をあたってください」 考えるまでもなく即答したら、仲林くんがあからさまにショックを受けた顔をする。 「なんで?在原さん、今彼氏いないんでしょ?」 「どうして彼氏いないことが仲林くんをしばらく泊められる理由になっちゃうのよ」 「だって、彼氏いないなら変な誤解も受けないし。部屋で偶然鉢合わせて修羅場に…みたいな心配しなくていいじゃん」 「そういう問題じゃないから。一応ここには会社の寮として住んでるんだし、それに仮にも私、女だよ?泊めてもらうなら、偶然鉢合わせた顔見知り程度の同期じゃなくて、もっと親しい男友達あたってよ」 「そうしたいけど。泊めてくれるくらい仲良いやつは、遠方に住んでるか、彼女と一緒に住んでるし。会社関係の人に、こっそり美玲のとこに住んでたってバレたらまずいじゃん」 「いや。私、会社関係の人だけど」 呆れ顔で仲林くんを見たら、彼が気まずそうに口を噤んだ。
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