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「仲林くんがしばらく芽衣の家にいることになるのなら、都合よく居座られないようにちゃんと確認したほうがいいよ」
既婚者の絢子の言葉に、ひやっと背中が冷たくなった。
「あっち、混ざらないの?」
絢子とふたりで無言で食事を摘んでいると、滝宮さんが声をかけてきた。
滝宮さんが指差すほうを見ると、真希子さんを始めとする他数人の先輩たちが、松野くんに絡んで楽しそうに笑っている。
「盛り上がってますね。真希子さん、今日も楽しそう」
「あぁ、加藤はちょっと飲むとすぐ人に絡むよな」
松野くんの肩を叩きながら笑っている真希子さんを横目に、滝宮さんが苦笑いする。
松野くんは先輩たちの輪の中心で少し困ったような表情を浮かべていたけれど、それは迷惑といった感じではない。
松野くんは社内でも社外でも先輩たちからのウケがいい。
年上の彼らに憶するわけでも媚びるわけでもなく、自然な態度でそれなりに自分の意見も言える。そういうところで、可愛がられているんだと思う。
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