7.好きって思ってくれているなら。

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「在原」 滝宮さんが帰って行ったあと、集団から少し離れて座っていた私に、松野くんが声をかけてくれた。 「ひとりでぽつんとしてないでこっちおいでよ」 気にかけて笑いかけてくれる松野くんは、いつもと変わらず優しい。 「ありがとう」 もうほぼ氷と水だけになっているレモンサワーのグラスを持って移動しようか迷っていたとき、テーブルに出していたスマホがメッセージを受信した。 送り主はイオで、松野くんに声をかけられたこのタイミングでのメッセージに胸がドキリとする。 そういえば、『松野くんの隣には座らない』ってイオと約束したんだった。 まさか、どこかで見られてる……? 思わずキョロキョロしてしまったけれど、イオの姿なんてどこにもない。 レモンサワーのグラスを置いて、スマホと持ち替える。 ドキドキしながらスマホの画面をタップしたら、イオからのメッセージがぱっと視界に飛び込んできた。
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