7.好きって思ってくれているなら。

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◇ 自宅の玄関のドアを開けると、イオが私のことを待ち構えるみたいにそこに立っていた。 「ただいま」 「思ったより遅かったね」 「ごめん……」 顔を合わせたイオの第一声が明らかに不服そうで、肩を竦めて謝る。 これでも、駅からは少し駆け足気味で帰ってきたんだけどな。若干、汗ばんじゃうくらいに。 わずかに肩を落としたら、イオが息を吐く気配がして、正面からがばっと抱きしめられた。 「おかえり、メェちゃん」 さっきの不服そうな声とは違う、抱きしめてくれる温度と同じくらい優しいイオの声がして、そのことにひどくほっとした。 「ただいま」 躊躇いながらイオの背中に手を回したら、彼がぎゅっと抱きしめ返してくれる。 イオの胸に摺り寄せるように額を押し付けたら、イオが私の左肩に頭をもたせかけてくる。 甘えるみたいなその行動にドクドクと胸を鳴らしていると、イオがすんすんと私の首筋に鼻先を押し付けてきた。
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