7.好きって思ってくれているなら。

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お風呂から出てきたら、私が帰ってくる前にお風呂を済ませていたイオが、既に自分の布団で寝転んでいた。 「電気消す?」 「あー、うん」   スマホを見ていたイオが、私を振り向いて笑う。 その笑顔に胸をときめかせながら電気を消すと、いそいそと自分のベッドへと向かった。 布団の中に潜り込むと、イオが見ていたスマホのライトが消えて部屋の中が暗くなる。 シンと静かになった部屋で、私は目を閉じることもできないくらいに緊張していた。 昨日の夜もそうだったけど、床の布団で眠るイオのことを妙に意識してしまう。 これまで普通に眠れていたことが、むしろ不思議なくらいだった。 ベッドの中でモゾモゾとときどき身体を動かしているうちに、暗闇にも目が慣れてくる。 「メェちゃん、眠れないの?」 落ち着きなくゴソゴソしていたら、イオが下から話しかけてきた。 静かだからもう眠っているのかと思ったけど、イオもまだ起きていたらしい。
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