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「眠れるよ。今、ちょうど寝るとこ」
イオを意識してそわそわしていまっていた自分が恥ずかしい。
イオが寝ているほうに背中を向けてそう言ったら、くくっと笑う声がした。
「メェちゃん、こっち来る?」
布団の衣擦れの音と共に、私を誘う心地よく低い声がした。
ドキリとして肩越しに振り向くと、イオが起き上がってこちらを見ている。
目が慣れたとはいえ、暗闇の中でイオの表情までははっきりと見えない。
けれど、イオが私を見つめて微笑んでいるような気がした。その綺麗な笑顔を想像しただけで、頬が燃えそうなくらいに熱くなる。
「え、や、やだよ!」
自らイオの布団に潜り込みにいくなんて。恥ずかしすぎる!
悲鳴みたいな拒絶の声を上げて、頭から布団をかぶる。
掛け布団の下で、ドキドキとしているとイオがまた話しかけてきた。
「じゃぁ、そっち行っていい?」
そっち? そっちって、え? こっち?
私が行かないなら、イオがこっちに来るってこと?
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