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数秒無言で見つめあったのちに、無性におかしくなってきて。
顔を見合わせたまま、イオとふたりで同時に吹き出した。
クスクスとしばらく笑いあったあと、イオが私のしょっぱい目玉焼きをフォークで自分のお皿に移動させる。
「これは、俺が責任もってふたつとも食べます」
イオがそう言って、しょっぱい目玉焼きを水で流し込むようにしながら食べ始めた。
無理やり食べて少し涙目になりかけているイオがおかしくて、私はまた笑ってしまった。
「さっきの話、いいよ」
小さくつぶやくと、イオが口をもぐもぐさせながら「ん」と首を傾げる。
「さっき、って?」
「一緒に住むっていう話」
「待って!返事のタイミング。今、必死にしょっぱいの食ってんのに」
焦ったイオが、うまく喉に水を流し込めずに少しむせる。
それを見てまたクスクス笑うと、イオが不貞腐れた顔をした。
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