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え?ちょっと待って。
これからしばらく同居するとはいえ、初めて来た人の家で当たり前みたいに先にシャワー使う?
普通、家主の私にもうちょっと遠慮とかしない?
「ねぇ、私だって明日しご、と……」
愕然とする私を置いて、仲林くんが狭い廊下を出た先のバスルームへと消えていく。
バタンと勢いよくバスルームのドアを閉めた仲林くんに、私の声など届いてはいなかった。
私が使うよりも水量が強めなシャワーの音に、少しイラッとする。
「水道光熱費はしっかり請求してやる」
小さな声でつぶやくと、テーブルのポテチの袋を乱暴につかんで、バリバリとやけ食いする。
ひとりで残りのポテチを全部食べて、アイスミルクティーを一気飲みしていたら、シャワーの音が止まった。
たっぷり20分くらいは占領されたバスルームのほうを睨むと、突然ぱっとドアが開く。
その次の瞬間、濡れた髪から水を滴らせた、裸の仲林くんがドアの隙間から上半身を覗かせたからぎょっとした。
「在原さん、タオルどこー?」
「ちょっ、は、裸で出てこないでっ!」
悲鳴をあげながら、無我夢中でつかんだダイニングテーブルの上のティッシュ箱を仲林くん目掛けて思いきり投げつける。
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