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再会に揺れる心
L.A.に渡った後、水島祐樹は特殊メイクの専門学校に入った。
元々得意な絵と技術を組み合わせた作品が認められて、卒業時には祐樹を指名する仕事が舞い込むようになる。
数をこなしながら経験を積み、新人や無名なアーティストは相手にしないと言われている大手広告会社や映画制作会社に、仕上げた作品を強気で売り込んで評価を得ていった。
あちこちで話題をさらううちに、祐樹はドラマや映画に引っ張りだこのメイクアップアーティストへと成長を遂げた。
ある日のこと、日本のKテレビ局が開局記念七十周年のイベントで、直木賞作家の小説を元にして、ロスとラスベガスでロケのある映画を制作するというニュースが映画関係者の間に広まった。
外国人がアメリカでドラマや映画を撮影する場合、現地のスタッフを雇わなければ撮影隊にビザが下りないという決まりがある。Kテレビは話題性も考慮して、アメリカで活躍するメイクアップアーティストの水島祐樹を現地スタッフとして雇いたいと、映画クルーを派遣する会社に申し入れた。
間を置かず派遣会社から特殊なメイクアップが必要だと聞かされた祐樹は、最近活躍の場を海外へと広げたいと考えていたこともあり、母国ならやりやすいだろうと判断してスケジュールを確認した後、依頼を受けることにした。
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