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3話
化粧をして、玄関をでるととりあえずコンビニまで歩いてみることにした。
アパートをでてから財布を持ってくるのを忘れたことに気づいて取り帰ると、鉄格子の階段前で慌てて戻って来る私を訝しげに見つめてくる男がいた。
「あの、なにか」
訝しげに見つめていた男は目の前に私が来ても逸らそうとしない。あろうことか、先ほどよりも興味ぶさげに見つめられて私のほうが目を逸らしてしまった。
「ああ、はい。すいません。……その、キレイだったんで、つい」
えへぇ? 今なんて?
「私が……キレイ……?」
思わずそう聞き返すと、男は人懐っこそうに優しく微笑んだ。
「ああ、はい。こんなキレイな人始めてみたんで、びっくりしましたよ」
「あ、ありがとう……!」
へへ、へへ。
私は猛スピードで階段を駆け上がり部屋へと突進した。
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