黒雨人 ―black rain―

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*  透明の雨が降る道端で、テルは僕に黒雨人(ブラックレイン)について説明をした。  黒い雨が降る日に奴らは現れ、人を襲う。  体に触れられると意識を奪われ、昏睡状態に陥る。  それを防ぐために、メンバー(黒雨(レイン)バスターと呼ばれるらしい。僕はとんでもなくダサいと思った)が黒雨人(ブラックレイン)の討伐に当たる。奴らがどこから来たのか、なぜ人を襲うのか、謎が多く、それを調べる部隊もテルが言うには存在するらしい。今はまだその謎は解明されていなかった。 「僕は選ばれたって事?」 「まぁ、そうだな」 「何で、僕が……」 「雨男だからです」 テルの返事に、僕はさらに絶望した。 ただでさえ、友人のことでショックを受けているのに、まさか、変な化け物と戦わされる羽目になるとは思いもよらなかった。 「これって、夢じゃあ…」 「夢じゃねーよ。俺も雨男だから選ばれた。お前と同じ」 リョウはそう言って、僕の肩を叩いた。 彼の受け止め方と僕の受け止め方には、だいぶ差がある様に感じた。 「それより、テル。ケイがどうとかって言ってたよね?」 「はい、失礼ながら病院に入るところから、ユウさんの後をつけていました」 「てるてる坊主に尾行されているなんて、気づかなかった……。ケイの目を覚ます方法はあるの?」 僕の言葉にテルがくるっと体を回転させ、反応した。 「あります。ケイさんはおそらく黒雨人(ブラックレイン)に襲われたのだと思われます。その襲った奴を倒せば、目を覚ますはずです」 「本当?」 「はい、本当です」 「つっても、肝心の雨傘(アンブレラ)そのボロ傘じゃあなぁ…」 リョウは僕の傘を見てため息をついた。 「僕だって、好きでこんな傘じゃない。第一、ケイが目を覚ましたら、あんな化け物と戦うつもりもない」 「それは困ります。ユウさんは選ばれた人なんですから…」 テルが言葉を言い終わる前に、また周囲が暗くなり、雨の色が変化した。
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