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ねぇ、よっちゃん。あんたのそういう血の気が多いところがあたしは好き。
ねぇ、よっちゃん。あんたがあたしを守るために、あたしに害がある男を
何人も殺っちゃう所も大好き。
ねぇ、あんた。ところで、今まで何人
殺ったのさ……?
「おい、さきぽん!早く祭りが終わる前にここからずらかろう。
それにしても、やぶ蚊が多いな、この林は。かゆくて仕方ねえよ……。」
「そうね、行こ行こ!夏はこれからよ!」
ねぇ、よっちゃん。
あんたと出会えてあたしの人生変わったわ。
変な男どもに泣き寝入りしていた人生から、
気にさわるやつは、単純に殺っちまえばいい。
そう教えてくれたあたしのよっちゃん。
あたしの最高の共犯者。
あたしの最高のパートナー。
あたしがあんたを選んだ理由?
それこそ、よっちゃんは自分の事、殺虫剤って言ってたけど……、
いやいや、あんたこそ、
このあたり1面を飛んでいるやぶ蚊よ。
最後の一滴まで人の生き血を吸いつき殺す
『やぶ蚊』みたいなあんたが大好き。
でも、そんなことは口が裂けても言えない。
ねぇ、よっちゃん。
だからこれからも、さきぽんを『やぶ蚊』どもから守る
殺虫剤でいてね。
そんなあんたをあたしは選んだんだから。
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