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一.夏祭り
血が欲しい。
私の体中を駆け巡るような、ほとばしる血が。
最後の残り一滴まで。
私の命はそう、長くはない。
私の命は、このひと夏の花火のようにパッと咲いて消え落ちる。
時間がない。
私には時間がないのだ。
神様、このひと夏の最後の軌跡を、どうかどうか私に与えたまえ。
さて、それではそろそろ、行こうじゃないか。
私の命を燃やし尽くす、最後の血を求めて。
さあ、私の最後の獲物になるのは
どこのどいつだ。
たっぷりと、そしてゆっくりと
ここ夏祭りの会場で獲物を選んでいこう_______。
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