身取りあい

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ある村で、首が二つある子供が生まれた。 右側は元気がよく、 左側はよく眠る子だった。 二人は仲良しで、お互いに変顔をし合って遊んでいた。 しかし。 時が経つにつれ、お互いに『この状況がおかしい』と気付いたようで、 『どちらが身体の主導権を握るか』を賭けて揉み合うようになった。 「お前のせいで一生、共同生活だ! お前さえいなければ!」 「それはこっちのセリフだ!」 時にはそんな悪口を言い合い、 時には殴り合い。 しかし、片方が殴られると殴った方も痛かった。 片方に『腐った蜜柑』を食わせたこともある。 「へへ、ざまーみろ! この体は俺のモノだ!」 「ううっ……やりやがったなぁ!」 そしてその後、二人で仲良くおなかを壊すのだ。
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