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カイリは朝早くに目が覚めた。
昨日の事が気になってなかなか眠れなかったのだ。
それなのに朝早く起きてしまって、カイリはため息をつく。
「魔法書でも読むか。」
ゆっくりと体を起こして、机に向かう。
チラリと時計を見ると、まだ4時前だった。
7時30分に起きるカイリにとって4時前とはまだ夜中だ。
ふわぁぁとあくびをすると、本を開く。
最近ハマっているのがこの、『魔法界全書』だ。
魔法界について事細かく記されている。
厚さは15cm程。
魔法界のルールや地図、魔法についてや貴族一覧まで載っていて、まさに全書だ。
パラリと昨日の続きのページを開く。
『魔法界全国共通のルール②
闇魔法を使用した者は、即処刑とする。
使用はしずに保有しているだけの場合、領地及び全財産を没収とし、貴族ならば平民へ降格する。
ただし例外として、国王・女王陛下からの直々に指示があった場合のみ、誅罰は無いものとする。』
へぇ〜。
貴族からしたらこれは厳しいね。
平民なんて絶対なりたく無いもん。
私はウンウンとうなずきながら、ページをめくり、国別貴族名簿を開く。
勿論一番権力のあるリリアーナ王国が最初に来る。
リリアーナ王国では公爵よりも上に、4つの貴族が存在する。
まず、貴族階級第一位のリナリアーナ家。
ママの身を匿ってた家だね。
次に第二位のリールル家。
ママのお友達のララファさんの家。
きっと今頃、当主にでもなってるんじゃないかな。
そして第三位のリリクレール家。
パパの出身の家。
歴代初の平民騎士団長になったリリクレール家の当主を称えるためにこの位になった。
最後に第四位のブラダーディス家。
ママの侍女であるカリーナのご出身。
ミサトやカレンも同じね。
そしてやっと公爵家などおなじみの貴族達がいる。
まっぱりママの周りってお金持ちばっかだねぇ。
ペラペラとページをめくると、ある文字を目にして、手が止まる。
「……え?」
今は無き貴族、リア辺境伯爵家。
リアってこの国の名前だよね?
う〜ん、アナスタシウスも母親はパウアリスだし有り得るっちゃ有り得るけどね。
でもこの貴族が撲滅してから60年前しか経っていない。
この国が出来たのは、というかこの国の名前が変わったのは200年も前の事。
う〜ん、まぁ元からパウアリスとかミクシードが生まれやすい一族だったのかもね。
私は勝手に理解をすると、ページをめくった。
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