リリアーナ・カイリ

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リリアーナ・カイリ

目が覚めると目の前に綺麗な女の人が涙を流していた。 私は訳がわからなくなってあたりを見渡す。 真っ黒な家具にカラスのような模様のカーテン。 艷やかな黒髪が美しい女性は、私を手放し口を動かす。 なんと言っているかは聞き取れなかったが、女性の口が閉じた瞬間、私達はピンクの光に包み込まれた。 光の中で私は一つの疑問を抱く。 私は飛び降りたのになぜ生きているのか。 意識が飛び私の思考回路は停止した。 目が覚めると、私は立派な門の前に立っていた。 と言うか、ゆりかごに寝っ転がっているだけだけど。 私の入ったゆりかごを持った女性が騎士みたいな人達と話し合っている。 私はボーッと空を見上げる。 あの時と同じ空だな。 ジッと空を見ていると、近くでキラリと何か光った。 狭いゆりかごから目を覗かせると、女性はイエロートパーズを手に騎士に迫っていた。 目を見張り、息を呑む。 思い出した……。 本当にまさか……。 そんなわけ無いよね。 私は飛び降りる前の言葉を思い出す。 (私もリリみたいになりたい) 思いっきり叫んだ、フリをする。 正確に言えば、まだ赤ん坊で声が出ないだけなのだが。 私は白目をむいて撃沈した。
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