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「ハハハハハッ! そうかそうか。カイリ陛下がか。君たちの計画は余の優秀な部下たちが調べてくれたから知っているよ。」
「それは話が早いわ。ではイエス、という事でよろしいでしょうか。」
アンドリューは少し考えたあと、口を開いた。
「ナリル王国に利益のある話をしたら……だな。」
私は不敵に笑った。
「フフッ、そうですね。現在、砂漠のことで悩んでいませんか? ナリル王国の、特にリリアーナ王国近隣の砂漠行ったり一体は砂以外何もない。そのため、人が住んでいるかどうかすら怪しい。さらに他の砂漠地帯と違って美しいオアシスもない上に、砂丘が綺麗と言って観光客が来ることもない。言うならば、ただの砂場。その上魔法界連盟の緊急災害予備費として砂漠も国土に含まれるため、税を取られてしまう。
……そういえば最近は砂漠化も進んでいるようですね。管理も大変でしょう。わざわざ誰もいない土地を管理して、さらに砂が舞って近隣住民の対策もしないといけない。近頃は風が強くなってきているので、頭を悩まされているのでは? きっと陛下のそのクマも、この問題のことで悩んでいるのでしょうね。
ここでわたくし達の提案がくるというわけです。
取引をしましょう。わたくし達は、ナリル王国に、一切被害を及ばせない。それは、砂漠問題についても、緊急災害予備の件についても。貴方方は砂漠の管理をしずに、税金も取られない。ですから、わたくし達に、砂漠の3分の1。全部とは言いませんから。ナリル王国へ観光へ来る人も来なくなってしまいますからね。
……さぁ、3分の1を受け渡してもらえるかしら?」
シャンデリアの照明があたり、仮面に付いたアメジストがキラリと光る。
アンドリューは少し唸ったあと、あごを撫でて笑った。
「良かろう。この何もできない砂漠を、どう開拓するの、カイリ陛下の腕試しだな。ハハハハッ! カイリ陛下は良い部下をもらったな。
あぁ、そうだ。カイリ陛下にこれを渡してくれるか? 返事はいらぬ。極秘だ。」
「提案を受け入れてくださりありがたく存じ上げます。
命をかけて、手紙を届けてまいります。
また受け渡しの日時が決まりましたら、わたくしが参ります。では失礼いたしますわ。」
私は魔法で厳重にロックされた手紙を大事に持ち、王宮をあとにした。
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