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余はうなだれた。
まただ。
なぜ世の中はこうも同じことを繰り返すのだろうか。
きっとこれは余しか知らぬ。
長い時を生きていたら、彼女のような事を起こした者など沢山いた。
だが今回は違うようだ。
本当に魔法界が5つになってしまうかもしれん。
……リリアーナの王妃についても、彼女がきっと暴いてくれるだろう。
今回は、今回こそは、反逆者の肩を持とうではないか。
「そうか、よくやったぞ。」
寮に帰ってきたバイオレットの報告を聞き、カイリは微笑んだ。
「フフッ。陛下ったら。それがわたくしの仕事ですから。
それと、これ。アンドリュー陛下から、カイリ陛下宛ての手紙です。返事不要、極秘だそうです。」
と言って手紙を渡し、そそくさと私は歩き去った。
手紙には、こう書かれてあった。
『余は前置きを書くほど気が長くないものでな。要件だけ伝える。
余は、長い月日を生きてきて、お主のような者を何人も見てきた。
だがお主のような細かい計画性のある者は初めて見た。
よって、余はお主を支持し、資金援助もしよう。
しかし、その条件として、10年以上国を保ち続けることとする。
お主が本当に王となったら、余を建国祭に招待してほしい。
その時は、余の知ってる全てを話そう。』
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