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長きを生きた……ね。
だけどナリル王国の国王はちゃんと人の年齢で死んで、そして新しくなっている。
今まで別になんの異常もなかったはず。
でも確か、ナリル王国の王子は国王が死んでからしか生まれないと言う都市伝説もあるらしい。
そして、今までの王子たち全員が神童と言われるほど頭が良かったとか。
もしそれが本当だとすれば。
もし私の考えがあっていたとすれば、もしかしたら、私みたいな人は一人じゃないのかもしれない。
色んな意味で。
まぁ、答え合わせは私が皇帝になってからの建国祭で、全て分かるだろう。
それまでのお楽しみとしておくか。
私は思考をストップさせ、息をついた。
私達は、サファイア学院の2年生になった。
そして今日は、ついに私達の後輩が来る日だ。
私達の王族専用寮には2名の王族が来る。
二人共カイリア王国の側妃の生まれであるが、双子では無いらしい。
最近では全く授業に参加していないので、情報がない。
多分ビビーなら知っていると思うが。
私はラットにドレスを着せてもらい、メイクを始める。
上手くやれば私の部下が増えるだろうから、今回は気合の入ったドレスにした。
胸元が大きく空いた薄い紫のような青色で、お腹にはダイヤモンドであしらわれた雪の結晶が。
スカートには私の髪と同じ、ベルギーブルーガーネットをつけてあり、光が当たると妖艶な雰囲気を醸し出す。
もちろんこれもルーが私専用に作ってくれたドレス。
メイクが終わり、髪の毛のセットに入った。
私はメイクで美しくされた自分の顔を見た。
真っ赤な唇。
ふいに、左手の甲に目がいった。
ここには第三の目が封印されている。
開眼……してみようかな?
今だに私は、開眼したことがない。
小さい頃に一度封印を解こうとしたが、魔法がはね返ってしまった。
まだあの頃は魔力も少なかったしね。
魔力を込める。
やはりこれは、私が皇帝になった時にとっておこう。
もう一度鏡を見る。
髪の毛は上の方でセットされ、金で造られた縁に、ベルギーブルーガーネットがはめ込まれたクラウンティアラが頭に乗せられた。
これはリリアーナ王国での王女のティアラ。
今思えば、あんなやつと王位継承争いなんてしたくない。
でも言ってしまったことは取り返せない。
だから私は王になる。
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