3人が本棚に入れています
本棚に追加
おっと。
話がズレたね。
私の魔力はサファイア学園の平均と同じ、140。
140あれば国の役人になれるレベルかな。
魔力の強い親から生まれた私は、魔法を使わずとも元から魔力が強いらしい。
おかげで前世できなかった事、特に勉強には力を入れた。
もちろん魔法にもね。
「カイリ様! お風呂に入りましょう!」
まだ7時だというのに、ラットがお風呂に入ると急かすからイヤだな。
これだから子供は。
私は仕方なくラットの指示に従い、眠りについた。
翌日。
私はこの前と同じように小川を辿って歩いていく。
「まぁ! キレイな森だこと!」
私は手をパチンと叩く。
密林の中にポッカリと空間が出来ており、大きな切り株が生えている。
漢服で有名な朝鮮族の『ハンボッ』を着た私は、スカートをなびかせながら小走りで切り株に座る。
ストンと軽やかに座ると、空を見上げる。
母親似の水色の髪と同じ色の空が澄み渡っていた。
こんな時はお花で遊ぼうと思い、杖を取り出す。
「エイッ!」
杖の先から白い花びらのカモミールとシャボン玉が現れる。
こう言う所を見ると、私もまだ子供だなぁと思う。
カモミールが花だということを知ったのは、この体になってから。
前世では花の名前なんかバラとチューリップしか知らなかった。
シャボン玉も、前に公園で遊んでいる子どもたちが使っているのを見たことがあるが、それが何かは知らなかった。
ただ、宙に浮くそれを見て、感動したのを今でも覚えている。
そうして、授業で初めて使った魔法がこの魔法だったというわけだ。
それから大抵魔法の練習をする時は、この魔法を使っている。
手の上に乗ったシャボン玉に息を吹きかける。
これをするだけでも、かなりの魔力を使う。
勿論、1つ消えたら1つ生み出す事は、更に魔力を使う事になる。
「なぜでしょう。カモミールが空を飛んでいますね。
カイリ様、今日も会いましたね。」
ため息をつきながら後ろを振り返る。
また来やがったな、アイツ。
最初のコメントを投稿しよう!