学校をさぼった日

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学校をさぼった日

学校をはじめてさぼってしまった。 どうしてもなぜか行く気になれなくて。 学校が嫌なわけでもなく、特別な理由も見つからないけれども、ただ何となく 本当になんとなくだった。 でも、わたしのお財布の中は寒い風がビュービュー吹いている。 そんなには遠くへは行かれない。 どうしよう。 わたしは電車の座席から立ち上がれなくなった。 まるで超強力な接着剤で座席に貼り付けてあるみたいに。 いつも学校への電車に乗り換える駅が近づいてくる。 でも足が動かない。 通り過ぎて、電車は終点についた。 わたしの足は戻る電車に向かってそれに乗った。 そしてまた座席に座ると超々強力な接着剤で座席におしりがくっついてしまった。 今度は家に帰る時に乗り換える駅が近づいてくる。 心臓がどきどきしている。 誰かにみつからないかな? 車掌さんに不審に思われないかな? とか。 また足が動かなくなりいつも降りる駅を過ぎてしまった。 途中で具合が悪くなって帰ってきたって家に帰ってお母さんに言えばいいんだろうけどできなくてまた座席に座っている。 何度繰り返し終点から終点を行き来しただろうか。 もうすぐお昼だ。 お腹減ったな。 誰も私の事なんか気にしていないのにお腹が鳴っているのが恥ずかしくてカバンをぎゅっと抱えた。 やっぱり今日は帰ろう。 お母さんに電車で具合が悪くなって帰ってきたって言おう。 わたしは何度目かの行ったり来たりで家に帰る乗り換えの駅で降りた。 そのまま家に帰ったわたしをお母さんは「おかえり」と出迎えてくれた。 わたしはお腹が痛くてとだけ言った。 お母さんは大変だったねとだけ言って学校へ連絡してくれた。 お昼ご飯にはおじやを作ってくれた。 お母さんは何となくであるが今日のことに気づいていると思う。 でも何も聞いてこなかった。 後にも先にも学校をさぼったのはこの日だけ。 今でも鮮明に思い出すあの日の事を。
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