アルアメノヒ

　いつの間にか雨が強くなっていた。

　それに気づいたのはタイマーに合わせてジジジ……と、カーテンがあく音がしてからだ。

　……ザンザンザン

　ベランダの窓を打ち付ける雨の音がする。
　雲の向こうでは日が昇ったころではないだろうか。
　時間は7時少し前か。

　いつもなら会社に行く支度を始めている時間だ。
　私はただぼんやりとエンドロールが流れるテレビを眺めていた。

　そうだ。
　私がやりたかったことは……

　私は涙をぬぐうとパソコンの電源を入れてインターネットで準備のための検索を始めた。

　―――まずは辞表の書き方を調べるところから。