アルアメノヒ

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 夜通しで救助隊の話を見ていた私は、ヒーロー番組に出る主人公になったような気分だった。 「おい!そこの青玉!人を困らせるのはやめろ!」  私がそうビシッとソイツを指さして高らかに声を上げた。  なぞの青い球体はくるりとこっちを向いた。  ―――うわっ!目つき悪っ!  後ろから見た姿はマスコットか何かのように可愛らしかったのだが、その目つきはどう見ても悪役怪人そのもの。 「なんだよおっさん!俺は働き先を探しているんだよ!邪魔するな!」  ぴょこぴょこ弾むその動きはそこそこ可愛らしくも見えるが、残念なことに声もその体に合わない男の声。  ―――こいつは間違いなく悪者……雨の日に現れる雨玉怪人に違いない! 「この悪党め!このリーダーが懲らしめてやる!」  私はヒーローになった気分のまま、その青玉を思いっきり蹴り飛ばしていた。
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