アルアメノヒ

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 最初は眠気覚ましのはずが、気が付いたら中毒かと自分でも思うほど飲んでしまっている。  これが母に知られたらきっと、すごく心配するに違いない。  今年で30になる息子を心配するなと思うのだが、あの人は長男でひとり息子の私が大事なのだろう。  私も高校、大学、大学院へと好きなことをやらせてもらうため通わせてもらったのだ。  半分以上は奨学金で返さねばならないが、それでも親には感謝をしている。  そう。  好きなこと  ―――私はロボット工学を習っていた。  今は有名企業の子会社で、プログラミングを主とした仕事をしている。  ……ロボットを動かすためのプログラミングもしたことがある。  だが、私がやりたかったこととは程遠い仕事だ。  ふとしたときに私はこんなことがしたかったのかと思うことがある。  自分がやりたかったを必死に追いかけていたはずなのに。  どこで間違えたのかと。  ……でも、現実はそんなことを考えさせてくれる時間をくれない。  時計の針はコツコツと進んでいた。  私はスーツを着ると水筒をカバンに入れると傘と共に手にすると外に出た。  顔を洗ってないことに気が付いたのは、家を出てしばらくしてからだった。  今日も変わらない一日が始まる。  アパートの階段を下りると、傘を広げてそう思っていた。
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