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ところが変化は突然訪れた。
こんな雨の日に私宛に来客があったと聞いて首を傾げた。
「どうも、姫凛 福さんって方らしいです。」
そう内線越しに伝えた受付の方に思わず私は聞き返してしまった。
「……姫凛？」
その珍しい苗字は、あの有名な洋菓子メーカー
株式会社姫凛を思い出させた。
あそこのプリンがおいしいと聞いて、実家に帰るときに買っていったことがあった。
母がすごくおいしいと喜んでいたのは覚えている。
私もせっかくだからと一つ食べたが、確かに甘さ控えめでしっとりとした口当たりは今まで食べたプリンとは格段に違う何かを感じた……と思う。
そこまで甘味に詳しくないから、コンビニやスーパーのものと比べるのも申し訳ないが、私が普段食べるようなプリンはそれくらいだからな。
一度だけ、製造用機械の調整の打ち合わせをしに行ったことがあったがそれのトラブルだろうか。
私はすぐに向かうことを伝え、その来客者の元に急いだ。
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