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受付で待っていたのは私よりもだいぶ若い……男の子と言ってもいいかもしれない。
明るめの茶色……いや、これは金色に近いのか?
かなり明るい色の髪色をしたクセっ毛の小柄な男。
スーツを着てはいるが、下手すれば学生にもみえてしまうような……
そんな彼は私を見ると外国人のような綺麗な青色の目を輝かせて手を振った。
「ああ!やっぱり!あなたを探してました!以前、うちの会社で整備してくれた方ですよね。ボク、姫凛福と言います。」
丁寧に出され、私も自分の名前を名乗り同じく名刺を出した。
だが、その名刺の肩書を見て驚いた。
『株式会社姫凛ヒーロー派遣サービス 社長』
「しゃ、社長……ですか?」
社長というには幼すぎるその姿と名刺を何度も見比べ、私は失礼ながら聞き返してしまった。
そんな私の態度に気を悪くするでもなく、照れたように頬を染め頬を掻きつつ笑っていた。
「会社はまだまだこれからです。今はふさわしい社員を探しているところですよ。」
「ヒーロー派遣……の社員ですか??」
聞いたことのない事業だ。
ただの派遣会社ならまだしもヒーロー派遣?
ヒーローを派遣する会社とでも言いたいのだろうか。
「やはりそこに食いつきますか。ちょっと詳しくお話がしたいので、外でお茶をしながらどうでしょう?」
ぐるぐるとこの言葉について考えていると、福さんは私の顔を覗き込みにっこりと笑ってそう言った。
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