アルアメノヒ

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 会社の傍にある大型家具屋の中にあるカフェ。  入口近くに設置されたそこでその社長と名乗った福さんと一緒にドリンクバーのコーヒーを飲みながら話をすることになった。 「ボク、ここのケーキやシナモンロール好きなんですよね。甘いものが好きというか。あ!僕がここは支払うので、好きなもの頼んでいいですよ。」  私はコーヒーを飲み、そんな福さんのたわいのない会話にあいまいに返事をした。  彼はそう言っていたが、まだ本当に彼があの姫凛グループの社長という確証はない。  むしろこれは詐欺かもしれない。  だが、私はなぜかついてきてしまった。  興味があったのだ。  ヒーロー派遣という謎の仕事について。 「まぁ、信じてはもらえないですよね。でも、興味あるでしょ。ヒーローのお仕事。」  そうだ。  私はそのヒーローの仕事という言葉を待っていたのだ。 「福さん。確かに興味はありますよ。男なら憧れますし。でも、なんで私なんですか?」  確かに私はヒーローモノ作品が好きだ。  だが、それを会社の仲間にもましてや外部のお客に言ったつもりはなかった。  福さんは先ほどまでのかしこまった態度から少しくだけ、くすくす笑い出した。  一体何がおかしいのだろう。  訝しげに見ていると福さんは謝り、話を続けた。 「君がしているそのネクタイ、『にゃんこ戦隊ネコナンダー』のレジェンドレッドをイメージした限定デザインのものでしょ。」  福さんの言葉に私は驚いた。
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