12人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
そんな私のいきなりの行動に福さんは驚きもせずニコニコと笑顔を向けていた。
「うん。ボクも好きなんだ。僕はイエロー押し。レジェンドじゃないほうね。」
言われて彼のネクタイを見て気が付いた。
これは以前発売されたイエローイメージのネクタイではないか。
今では手に入らないレアものだ。
守銭奴キャラのイエローらしい、一見水玉に見える黄色い模様はすべて小判。
その中に一つだけ小判を持ったイエローっぽい猫のイラストの混ざっているデザインだ。
私としたことがすぐに気づかなかったなんて……
「他にもヒーローモノ好きなんだよ。」
そう言って彼が出したボールペンにサングラス、ハンカチにタオルにキーホルダー……。
にゃんこ戦隊だけでない。
私が好きなヒーローたちのグッズが並んでいるではないか。
欲しくても手が出せなかったレアものグッズもある。
思わずまじまじを眺めてしまい、福さんに笑われてしまった。
「んで、ここから真面目な話です。ボクは姫凛の一人息子でグループの社長になる予定でした。」
そんな笑っていた福さんは急に真剣なまなざしで私を見た。
雰囲気ががらりと変わり声のトーンも先ほどより落としている。
最初のコメントを投稿しよう!