あなたを待ってた

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「お前、最近ついてなくね?」 ため息をついたところに同僚が心配そうに声をかけてくる。 もう、笑い話にすらならないほど俺は追い詰められていた。 友達に絶対に返すと言われ、貸した20万円を持ち逃げされ、音信不通。 新しい財布や手帳はことごとく無くしてしまい、仕方なく古い物を使う日々。 「絶対に正しい」と信じれば信じるほど、裏をかかれ、追い詰められる。 特に慌ててるときほど、失敗しやすいから十分注意し、周りを巻き込んで何重にもチェックしても必ず落とし穴にはまる。 もう、ここまできたら、言い訳する気力も言葉も出てこない。 「…俺、もう無理…」 小さく弱音を吐くと、見かねた同僚は「たまには飲みに行くか!」と言い出した。 そんな気分ではなかったが、「奢るからさ!」とまで言われたら、同僚の優しさに甘えることにした。
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