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「姉妹お二人が揃うなんて今日はかなりいい日〜」
聞こえてくる声をできるだけ聞かないようにして、俺は腕をつかんでいる人物を睨む。
「入寮したら連絡してって言ったでしょう?」
「やっぱり無視してたのね」
もう一人もすぐそばに来ていて逃げ道がなくなった。
俺はぐっと唇を噛む。
「あの…この子は?」
周りに居た生徒が口を開いた。
「あぁ、うちの三女あづむちゃんでーすっ」
にっこり笑う女。こいつは長女の紫。
「仲良くしてやってね」
次女の理香は特に表情を変えることなく口を開いた。
「三女じゃねぇだろ!長男だよっ!」
紫の手を振り払って怒鳴る。
「…かわいい顔が台無し!」
紫は俺の両頬を潰してむっとした。
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