俺は男だって!

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「あづちゃーんっ」 呼ばれてピクピクと眉を動かして立ち止まる。 「だから、反応すんなって」 隣を歩いていた親友の中山(なかやま)(たみ)は俺に肘打ちしてクイッと顎で合図をした。 「だって…」 プクっと頬を膨らませてまた歩き出すと 「相手にするから遊ばれるんだよ」 中山はフンっと鼻を鳴らした。 中山も名前が女っぽいとからかわれることがたまにある。 まぁ、見た目はキリッとした目元だし、身長だって175は余裕である(羨ましいことにどんどん伸びている)し、運動部にしょっちゅうスカウトされるくらい引き締まった体。 どっからどう見ても男そのもの…。 「無視しとけ」 聞こえてくる笑い声が気になって振り返ろうとした俺の腕を引っ張って中山は部屋に入った。
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