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最初は
3年前、中等部から寮にいる俺と中山。
初めて寮で相部屋になった時…は少しモメた。
ノックの音がして
「あ、はーい!」
ドアを開けると同じくらいの身長で黒いTシャツに迷彩の短パンをはいた奴が立っていた。
「…あ、もしかして中山くん?」
聞いていた同部屋の名前を口にすると、
「あぁ、お前が戸石か?」
中山くんは言いながら入ってきた。
「あ、どっちがいいかわからなかったからまだ荷物も片付けてないんだ!」
部屋に入って右と左にそれぞれあるベッドと机。
先に着いたからって先に選んでしまうのはどうかと思って俺はやることもないからさっきまで窓からぼんやりと外を眺めていた。
「…俺こっちで」
ぐるっと部屋を一瞥してさっさと左のベッドに座る中山くん。
相談とかしねぇんだ…とは思ったが別にこだわりはなかったから
「じゃあ、俺はこっちでいいんだな?」
言ってかばんを持ってとりあえず段ボールを一つ持ち上げると、
「お前、男なのか?」
言われた瞬間段ボールを落とした。
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