最初は

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その男はこの男子寮の寮長だと名乗り、 「で?何があったんだ?さっきから凄い声が聞こえているが…」 俺の手を離させて左のイスを出すと、俺をそこに座らせた。 「こいつって女じゃないんですか?」 俺の顔に向かって指をさして首を傾げる中山。 「ここは男子寮だそ?そんな訳…」 寮長は俺の顔を見て固まった。 「男ですよ」 もう泣きたくなってくる。 「…だそうだ。仲良くしろよ!うちは特別なことがない限り高等部卒業まで相部屋だからな」 笑って誤魔化すように話す寮長。 高等部卒業までって6年も!? 無理だろ…。 絶対仲良くなんてなれない! って、それから一週間俺と中山は口をきかなかった。 …懐かしいなぁ。
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