29人が本棚に入れています
本棚に追加
その男はこの男子寮の寮長だと名乗り、
「で?何があったんだ?さっきから凄い声が聞こえているが…」
俺の手を離させて左のイスを出すと、俺をそこに座らせた。
「こいつって女じゃないんですか?」
俺の顔に向かって指をさして首を傾げる中山。
「ここは男子寮だそ?そんな訳…」
寮長は俺の顔を見て固まった。
「男ですよ」
もう泣きたくなってくる。
「…だそうだ。仲良くしろよ!うちは特別なことがない限り高等部卒業まで相部屋だからな」
笑って誤魔化すように話す寮長。
高等部卒業までって6年も!?
無理だろ…。
絶対仲良くなんてなれない!
って、それから一週間俺と中山は口をきかなかった。
…懐かしいなぁ。
最初のコメントを投稿しよう!