「君は私の強い味方」

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** 「これ、どうしよう・・・・」 リサと別れて帰宅した後、もらった試供品を前に悩む私。 リサからは、仕事が忙しいからってお肌の手入れは絶対にサボっちゃダメだからねと、何度も釘を刺された。 「・・・・よしっ、ちょっとがんばってみるか!」 松村の本音は、気にならないと言えば嘘になる。でもまずは、とにかく肌荒れを治すことが最優先だ。 * それからの私は、リサにアドバイスされた通りにひたすらスキンケアをがんばった。 日々のワークで忙殺されて、家に帰ってはすぐベッドにダイブしそうになるのもグッと堪えて、ちゃんと時間をかけてお肌の手入れをした。すると日を追うごとに、肌が変わっていくのを感じた。 「・・・・わ、なんか肌がきれいになってきた気がする」 前よりも確実に、肌が明るくなったのがわかる。 「すごい、まさにコスメマジックだわ!」 鏡に映る自分の姿に、ちょっと感動してしまった。 スキンケアをがんばるようになってからの私は、何となく気持ちに余裕が生まれてきた気がする。 「・・・・そろそろ、いいかな?」 眼鏡を外し、コンタクトを入れてみる。久し振りに視野が広がって見えた。実を言うと、コンタクトをまともに入れたのは、1年ぶりである。 「・・・・ふふふ、何か不思議な感じ」 自然と笑みが溢れてくる。クローゼットのドアを開け、お気に入りのワンピースに着替えてみた。「いいかも」と全身が映る鏡の前でくるりと回ってみたりして。 久し振りに、女の子ってこんなに楽しかったんだという感覚を思い出した。 「お肌が綺麗になっただけで、人ってこんなにも変われるものなんだね」 リサにもらったコスメを手に取り、つい嬉しくて軽くチュッとキスしてみた。 「コスメくんありがとう!」 仕事に行く準備を済ませて、いざ出陣! いや、出勤した。
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