「君は私の強い味方」

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「君は私の強い味方」

「・・・・あ〜あ、やっぱり肌荒れしちゃってる」 出勤前にバタバタと仕度を整えつつ、鏡に映る自分の顔を見てため息をつく。最近は、とにかく忙しかった記憶しかない。 数日前、会社のプロジェクトチームに抜擢された。今までの自分の頑張りが認められたようで、それはとてもうれしかったのだが、その代償は計り知れなかった。 なぜなら通常業務をこなしながら、プロジェクトの仕事も同時進行で行なわなければならないからだ。 もちろん、他の社員に仕事を引き継いでもらうよう振り分けることもできる。だがそこは私の性格上、なかなか人に任せきらない。つい遠慮してしまうのだ。まあ、要領が悪いとも言う。 「・・・・はぁ。もっと上手く立ち回れるようになりたい」 情けないぞ自分。とため息をつきながら、足早に会社へと向かった。 *** 私が勤めるこの会社は、主にウェブ制作やオンラインショッピングなどを手掛けている。 企業から依頼を受けてホームページの制作を行なう業務もあれば、自社ブランドで立ち上げた服飾雑貨や化粧品などをオンラインで販売する業務などもあった。 出勤してからすぐ、プロジェクトチームメンバーが会議室に集められた。 それぞれの部門から集められたメンバーは男女合わせて10人前後。その誰もが当然、仕事ができる社員だった。そして、その中のひとりに私もいる。 このチームに選ばれてちょっぴり誇らしい気持ちはあった。でも内心では、自分は本当に、ちゃんとこのプロジェクトに見合った仕事ができるのだろうかと、私は早くもプレッシャーに押し潰されそうになっていた。 会議の内容は自社ブランドの製品と、これまでも売れ行きが高かった商品を取り扱った、アンテナショップを海外に展開するというものだった。そう、海外進出を目指した一大プロジェクト。 この仕事を私たちチームが中心となって、確実に成功させなければならないのだ。 ただでさえ、吹けば飛んでいきそうなちっぽけな自信しか持ち合わせていない今の私には、それはそれは荷が重かった。
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