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え、あんたを選んだ理由?
それを聞くわけ?!
あたしの弱みに付け込んだくせに!
え、ちゃんと了承したはずだ、覚えているだろう、って?
…ああ、そうだよ、言ったよ、覚えてるよう、もうっ!
でも、あの時のあたしの状態、もう、ボロボロで、どうしようもなくって…
そんな時に優しくしやがって。
あ、そうそう、気の迷いってヤツ、それだ!
本当はあんたなんてどうでもいいんだ、言葉尻だけ捉えて、ホントッ、うるさい!
え、「なら別れようか」って?!
あはははっ、あんた馬鹿あ?
アタシが逆張りで、「そんな事言うんなら別れてやらなーい」って言うとか思ってる?
アタシが大体、一人の男のモノになんかなる筈が無いでしょう。
そうよ、アタシみたいないい女が冴えないあんたなんかと付き合えるはずがないっていうか…、身の程知らずよねって!
そんな事、あんた、何にも思ってないし、有難いとも思ってない、デリカシーの欠片もないクズって言うか…
―あ、いや、クズってのは言い過ぎ、じゃない、なんでアタシがあんたなんかに気を使って、いや、そうじゃなくって、つまり、アタシはあんたなんて…
ニヤニヤ笑って見つめるのは止めろ!
…アタシが、馬鹿みたいじゃない。
あーあ、わーったよ、チクショー。
ちょっと10分ほど時間貰うよ。
「どこ行くんだ」って?
どこでもいいだろ!
…そう、どこでもいいじゃないか。
その後で、「あんたを選んだ理由」をじっくり聞かせてあげるよ。
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