心の声

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「耳、すぐに治って良かったね。念願のスマホも買ってもらえたし」  耳が治ったことも、スマホを買ってもらえたことも、綾は本当に喜んでくれている。それだけに、綾の秘密を知ってしまった事実が心苦しい。 「あ、あのさ……私、アケチのファンイラストとかよく見てたんだけど…」  これは嘘じゃない。お母さんのスマホを借りてた時から、時々覗いてた。 「私もよく見てるよ。アケチは人気作だから、上手い人いっぱいいるよね」  綾が嬉しそうに同意してくれる。 「それでさ……最近、アケチの二次創作?が載ってるサイト見つけてさ、今めっちゃ見てるんだ」  綾が自分で書くほどハマっているアケチの二次創作に、興味が湧いた。実際、プロ並みに上手で面白い物まであった。 「えっ!佳奈もアケチの二次創作にハマったの?」  綾が距離を詰めて来た。その目は、今まで見たことない程きらきらしている。 「それでどんなの読んだの?佳奈の推しって、コバヤシだったよね?」 「うん。この人好きだなぁって…」  私はスマホを操作して、昨日見付けた漫画を見せる。 「この人知ってる!私もフォローしてる!じゃあさ、この人も好きなんじゃない?」  綾は身近に同じ趣味の人を見付けた喜びを隠そうともせず、たくさんのイラストや漫画、小説まで教えてくれた。その中にアケ×コバはなかったけど、この様子なら教えてくれるのもそんな先じゃない気がする。  そしていつか、綾の書いた小説を見せてくれたらいいなと、私は思う。
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