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吉井さんが今日求めたものは、自分を愛せた頃の時間を取り戻すためだろうか。
私はただそれに耳を傾けていたが、果たしてそれで正解だったのだろうか。
頭を悩ませながら待機室に向かった。
「僕は医療なんて信じない。特に西洋医学なんて信じない」
待機室に戻ると「大丈夫だった?あのお客さん他の女の子1回でけっこうNG出てるけどはるちゃんはどう?」とスタッフが気遣ってくれたが、まぁ迷惑な事はされていないし戻ってくることもないだろうから「大丈夫です」と答えた。
しかし翌週、吉井さんはまたお店に来てくれた。
それどころか毎週木曜日の12時〜120分は吉井さんと過ごす時間になった。
出勤途中で見るアルタ前に並ぶ女の子達。
笑っていいとも!のレギュラー目当てに観覧するファン層で曜日を思い出す。
「あ、、そうか今日水曜日か。ってことは吉井さん明日も来てくれるかな?…いいとも!」と毎週独り言をつぶやくぐらい、吉井さんは必ず来てくれた。
でも帰り際はいつも無表情だった。
吉井さんは相変わらず性サービスを受けなかったが、キスをしたり私の乳首を舐めたりするのことがあった。
でも私はそれが苦痛だった。
そのものが嫌だとかではなく、吉井さんのギザギザした歯は唇と舌に当たると痛く、乳首もヒリヒリと痛い。その後の接客中も影響してしまい正直言って困っていた。
でも、吉井さんとの時間で困ったことと言えばそれぐらいだった。
あとは加藤鷹に似ていると伝えて良いものかどうかがわからないということだろうか。
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