スナック 百合子

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酒場の話題から急に無関係な話に飛び、店の空気が止まったみたいだった。 少し離れた席の前期高齢者達にも聞こえたらしく、驚いた様子で、こちらを見ている。 ママは少し引きつった笑みを浮かべて、言った。 「それは、そうでしょうねー、こんなにお綺麗なんですもん、男性が放っておく筈が無いですよ、ねぇ?」と助けを求めるように私に話をフって来た。 私は一呼吸、おいて答えた。 「あっ、ああ、どちら辺にお住まいなんですか?」 動揺のあまり、トンチンカンな質問になってしまった。
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