6 プロデュース

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加えてバツイチ女子は全てを覚悟で参加しています!と優奈は代弁した。 「離婚の理由もそれぞれですし。夫のギャンブル?あ!ええと。DV被害もありますし」 「俺、競馬やめます」 こうして優奈は唯一、人見知りの正樹を除き農業男子の指導を勧めていた。 「小林さん。今度の農業婚活の申し込みって私が事務局なんですけど。これ見て」 「何がどうしたって?」 優奈は参加女子の資料を小林にちらと見せた。 「この申し込み写真の女の人って、写真加工しすぎと思いませんか」 「へえ?やる気があっていいじゃないの!男もすれば?」 小林は写真を見て断られるよりも、お互い加工してお見合いした方が前進だと笑い飛ばした。しかし優奈は納得できなかった。 「何をそんなに怒っているの」 「だって……いくら見かけを取り繕っても。実際の農業は体力勝負ですよ」 「だったらあなたがお嫁に行けばいいじゃないの?さて、私はもう帰るね」 「……」 どこか悔しい優奈であったが、農業婚活の日を迎えた。優奈は事務局の役員として運営をしていた。 山形女の人脈によりやって来た都会女子達は優奈が一年前までしていたスタイルだった。巻き髪、ネイル。本日はスイカの収穫体験をすると言ってあるのにヒールを履いて来た参加女子に、優奈はイラとしながらも自分の長靴を貸してやった。 「説明を聞いて下さい。すいません。スマホをやめて聞いてください」 日焼けするとか、早くしてなど、話をよく聞いてない女達にさらに苛立つ優奈であったが、農業男子のために一生懸命、ムードを作っていった。 ……はあ、疲れた。あ、あれは。 正樹は大人女子に囲まれていた。これにため息をついた優奈は、心を落ちつかせ彼等のために動いていくのだった。
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