6 プロデュース

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6 プロデュース

「ええと。梅農家の水田さん。43歳、趣味は競馬……」 「そうです」 「お見合いで競馬はまずいでしょう?」 「え」 婚活の参加者である独身男の家で、個人面談をしていた優奈は彼を正した。 「ギャンブルの話題は親しくなってからにして下さい!他に。隠している事は?」 「は、はい。実は、アイドルが好きで」 「それはグラビア?歌手?」 「歌手です」 「……いいじゃないですか!」 「え?」 参加女もそう言う趣味の人がいるので問題ないと優奈は話した。 「一緒にライブに行けるといいですね?それに。マッチョで体格がいいですもんね。服装は、えーと」 優奈は彼の持っている服から選んでやった。彼の両親は優奈に質問をしてきた。 「ねえ。職員さん。うちは農家で跡取りが欲しいんだけど」 「今回はバツイチの子持ちさんの参加も多いですよ」 「バツイチか」 渋る親達に優奈はしれと説明した。 「今や日本のカップルの離婚率は三割ですよ」 「ちょっと聞いたかい?お父さん!三割だと?」 「三人に一人は離婚するのか」 「はい。それに人口も男よりも女の数が少ないし」
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