612人が本棚に入れています
本棚に追加
第18話 市川さん vs 裁判長(後編)
いよいよ三番勝負も最終戦。3本目は『流星群キャッチ』。
実に良い。これは経験者などいるはずがないので公平なはず。
「あ、私、流星群初段ですよ」
そんな驚愕の発言をかましたのは市川さん。
声のした方を振り向く。いない。え、なぜ? どこ? 貯金額は?
「800万円ーーー!」
この叫びとともに天空から市川さんが降り注ぐ。
一方その頃、裁判長はメンタリスト50人とティーパーティーを催していた。
どちらかと言うと参加したくない。
市川流星群が肉眼で観察できるようになった頃、
ようやく裁判長も上空の異変に気が付いたようだ。
だが、こんなときでも奴は準備体操を欠かさない。
かかと外し、腹式倒立、デスフェザーソード、東大寺改築、屈伸と
順にこなしていく。ラインナップを見て思うことはただ一つ。
屈伸は最初にやりなさいよ。かかと外しちゃったら、やるとき痛いでしょ。
気を遣える大人な俺を尻目に、流星群キャッチの構えをとる裁判長。
白目を剥き、唇を震わせて急降下する市川流星群。勝負の行方やいかに。
2人が触れ合った一瞬で、辺りは眩い光に包まれた。
発光が落ち着くと、そこには1つの人影が。残ったのは……ん、誰?
そいつの顔は市川さん、髪型は裁判長譲りのパンチパーマ。まさか……!?
最初のコメントを投稿しよう!