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第23話 覚醒
主賓欠席で開かれたドブネズミ洋平生誕祭。
りんごジュースで泥酔したスミス・J・新村が『ギャンブル動物園』を熱唱。
知らない奴が知らない歌を歌っている。
吉村さんも勝手にハモり出す。
が、歌詞をほとんど知らないようで、サビの「健全ボーイレッツゴー!
埴輪をしばくあなたが好き~」しか歌えていない。
不協和音。もし街頭アンケートを取れば2人中2人が俺に賛同するだろう。
人見知りなので、調査人数が少ないのは悪しからず。
おい、三郎! ドラミングをやめなさい。膝がいかれるぞ。いや、手遅れか。
隣人もトライアングル鳴らすんじゃない。カスタネットならまだ許そう。
インド象は単純にうるさい。
麻酔銃を撃って眠らせようとしたが、生憎奴の皮膚は固い。
あまりにも硬すぎて、銃弾は跳ね返るどころかインド象になった。
さらに、俺は麻酔銃を乱発。
放った銃弾の数だけインド象が増え、終いには機内に80頭が並んだ。
見る見るうちに高度が下がっていく。どうしたらいいものか。
あ、現実から目を逸らそう!
そうだそうだ、それがいい、と皆も言いました。
しかし、そんな中でこの苦しい状況に抗う男が一人。
吉村さん。この雄姿こそが、奴が”伝説の男”と謳われる所以である。
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