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第76話 開園!! ラスベガスヨシムランド
陰陽師カジノは無事、吉村さんに買収された。
店名も『ラスベガスヨシムランド』と読みにくい名前に変わり、
沖ノ鳥島に続く、待望のヨシムランド二店舗目が開店。
ラスベガス店では、フードコートで眼鏡以外に
中大兄皇子のブロマイドが売られている。
近日、彼と蘇我入鹿が対戦するレーシングゲームも
ラインナップに追加されるとのことだ。
ちなみに、初回限定特典で、必ずオーバーヒートするエンジンが貰える。
話を戻すと、吉村さんの買収行動により、
6個の勾玉全てが奴の所有物となったわけではない。
カジノと勾玉の所有権は同じところにないので、
吉村さんはゲーム中にたまたまカジノを買っただけなのである。
ブフォーン! ブフォーン! ブフォーン!
ブフォーン! ブフッ……
状況を整理し、奴の異常性を再確認していると、次々に勾玉が爆発し出した。
爆発した数は5個。一個だけ若干の不発ではあったが。
それにしても、事前説明と違う。爆弾は一個だけのはずだぞ。
残る一個を持っているのは……インド象!
警告音はブラフだったのか。
供給の減少が価格の上昇に繋がるのは、経済の常。
インド象の鼻に詰めた勾玉の価値は、今や10億ドルも下らない。
「そこまでです!」
蒼龍がゲーム終了の合図を出した。
10億ドルは間違いなくインド象のものだが、
ネズミとムカデとプテラノドンで溢れ返っているラスベガスヨシムランドに
それだけの大金が払える気はしない。
吉村さんはどうお金を工面するのか。
たぶん宝くじ。
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