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第88話 素敵な敵対関係
ソワグンダを続けながら、黄金仮面男は言う。
「俺が悪党代表としてアメリカ大統領選挙に出馬し、
あと少しで地位と名誉を手に入れられそうだとなったときに悲劇は訪れた。
投票前日、通りすがりの忍者に一枚の手裏剣を渡されたんだ。
何とはなしに貰った手裏剣を投げると、
シアトルの友人の住む家の二階にドラゴンが出現してしまった!」
それだけは駄目だと、ヤスダ会議であれほど言ったのに。
「この類のスキャンダルは、どうにもこうにも取り返しがつかない。
無論俺は、出馬の取り消しを余儀なくされた。
そして、覆面を取った忍者の正体は……ヤスダだったのさ。
おい、ヤスダを出せ!」
ごめんなさい。ヤスダは今、自ら好んでインド象に足蹴にされています。
4トンに踏まれてはまた踏まれることで、奴は見違えて強くなるでしょう。
それまでの辛抱です。
「そんなには待てない。
俺はヤスダに必ず……奴の嫌いな目玉焼きを食べさせてやるんだ!」
仕返しが幼い。
実は、原案では『ヤスダに目玉焼きを粉から作らせて、
完成品を食べずに古本屋のレジ横で常温保管する』
という復讐内容であったのだが、
前半部分が物理上不可能であることが判明したため、
このように可愛らしさが浮き彫りとなったのである。
「でも、苦手な食べ物って本当に抵抗があるもんな。
ヤスダが少しでも食べやすいように味付けを工夫しよう。
えっと、塩加減はこれぐらいで……」
根底に愛情。
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