野上陽菜 ⑥

1/1
前へ
/9ページ
次へ

野上陽菜 ⑥

 それから三人で出かける事が多くなった。  陽菜は学が美咲の事を好きにならないかと心配したが、そんな事もなく平和な日々が過ぎ、陽菜も美咲に貰った化粧品をきちんと使い、今まで以上に美容に力を入れていった。 「菜花、最近、生き生きして、なんだか綺麗になったな」  鏡の前で手入れをしていた陽菜を鏡越しに学が覗き込んだ。 「え!?本当!?」  あまり褒めない学に褒められて、陽菜が頬を赤らめた。 「うん、惚れ直した」  学は陽菜の髪にチュっとキスを落とす。 「じゃあ、同期と飲みに行ってくる」  そういうと、学は家を出た。 !! なにあれ!? 今までそんな事言われたことなかったのに!!  嬉しさのあまり菜花は耳まで真っ赤にしながら、今起こったことを美咲に電話で報告した。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加