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「みぃちゃんの事、お母さんから聞いたんだ。全然ご飯食べなくて弱っているって。で、主人に話すとね、彼も猫が好きだからみぃちゃんと一緒に暮らしてもいいって言ってくれて。迎えに来たんだよ。私もみぃちゃんと一緒がいい。一緒に暮らそう!」
みぃちゃんがわたしを撫でながら、そう伝えてくれた。
今日、雨が降っていて良かった。
私の顔が濡れているのは、雨のせいだって言えるでしょ。
顔にも雨が降っちゃうなんて、困るわ。ここの雨だけは、早く止んでほしい。
「にゃあーん」
やっぱり雨は好き。みぃちゃんがわたしを拾ってくれた時も、しとしと止まない雨が降っていた。
家に連れて帰ってくれて、怪我をしたわたしを大事に介抱してくれた優しいみぃちゃん。
雨の日は、ずっとみぃちゃんがわたしの傍にいてくれる――嬉しくて、わたしは久々に甘えた声で鳴いた。
-完-
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