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Ⅰ
私がここに存在しなければならない理由なんてなくて、ただ生かされているから、いるだけ。
理由なんてないし、私が私である理由もない。
私は誰といても劣等感を感じる。
私には誰よりもできる、特技みたいなものが無くて、私の存在意義って無いなって思う。
それに気づいてからは、暇になるとそんな終わりのない思考に囚われるようになった。
自分以外の全てのものが、羨ましく、妬ましい。
自分もああなりたいと思う反面、絶対になれないと諦めている。
みんなの中心にいる彼女には、私の気持ちは分からなくて、隅っこにいる私には、きっと彼女の気持ちが分からない。
何度も、理解しようとした。
彼女なりの理由があるって。
何度も、思い込もうとした。
きっと、私の働きに気づいている人がいるって。
でも、それはまやかしで目に見えない気持ちは厄介なことばかりで、もう消えてしまえば楽になるとさえ思った。
でも、そんな勇気もなくて、踏ん切る理由もなくて、だらだらと今を生きている。
気づかれない気持ちに蓋をして、お互いが気疲れしない関係を望んだ。
きっと、生き方は変わらないし、変えるつもりもない。
環境を変えたいと思うのに、反対側では変わってほしくないと思う自分がいる。
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