愛しのパパ

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 パパの最後の五年間は壮絶だった。  ママは研究所の仕事を続けながらも、毎日病院にパパを見舞った。  パパはどんどんやせ細って、日々襲ってくる身体の痛みのために、それはそれは凄まじい形相になっていった。    それでも、ママはパパが痛みに負けないように、毎日手を握りパパの心を支えたのだ。  それは、娘の私が間に入ることができないような、二人の濃密な時間だった。
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